書籍|ゲイツ流 気候変動対策と戦略
『地球の未来のため僕が決断したこと』早川書房(2021)で、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が、地球温暖化という難題に挑戦。本書は、地球の「発熱」に対する特効薬を提案し、ゼロカーボン社会への道標として注目を集めています。
著者は、新型コロナの猛威も気候変動の前では序の口であると語ります。もし私たちが行動しなければ、将来の世代は文字通り「暑い思い」をすることになると警告。そのために必要な処方箋として、経済、技術、政策という三つの柱を挙げています。
注目すべきは、ゲイツ氏が提案する「グリーンプレミアム」というもの。これは環境技術と従来技術の価格差を示し、地球を守るためのコストパフォーマンスを測る指標となります。太陽光や風力といった再生可能エネルギーが主役となる未来を描きつつ、その実現には政府の支援と企業の意識改革が不可欠であると説いています。
OSの更新のように、地球の「バージョンアップ」は一朝一夕には進みませんが、本書はこの壮大なアップデート作業の設計図を驚くほど明快に示しています。気候変動という人類最大の課題に立ち向かおうとする人にとって、まさに必読の一冊です。
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